実家にいた頃の話である
簡単な料理をする俺は、ある時みそ汁を作った
食事を終えて母が食器を片付けるのを見ると、父が食べたはずのみそ汁のお椀に具がまるまる残っていた
「食欲でもないのか?嫌いな具だったのか?」
次の日、違う具のみそ汁を作った
食事を終えて父のお椀を見ると具がまるまる残っている
聞くと
「具は食べないんだ俺は。」
そういう事ならと思い、さらに次の日のみそ汁は父の分だけ、具を入れず汁だけにして出した
父「なんで俺のだけ具がないんだ!」
はあ?と思ったが、
「今日のみそ汁の具は好きな食材なのかな?」と思い、具を入れなおして出した
食事を終えてみると父のみそ汁のお椀には具がまるまる残っている
もう俺、暴れていい?
数年後、あるエッセイ漫画で作者が「みそ汁の具を食べない人」に話を聞いた回があった
彼らの言い分はこうだった
- みそ汁は汁であって具は邪魔
- 具を食べたいならみそ汁にしなくてもいい
- でも具がないのは嫌だ
「邪魔で残すのなら最初からなくて良いだろ。なんで残すのに具を欲しがるんだ」
思い出し怒りを抑えながら読んでいくと、最後のコマに驚愕の一言が載っていた
「人は料理を目でも楽しむから」
みそ汁の具を残す奴用に食品サンプル(みそ汁の具バージョンすごく臭いやつ)を用意しておこうと思う